小学生高学年の頃は陰陽師にハマったり、今でいうラノベが好きでした。ラノベに出てくる架空の詠唱を必死に覚えていました。自分の周りは割と幽霊妖怪の類を信じる子が多かったと思います。怖いもの見たさでお墓へ肝試しへ誘われましたし、学校の怪談が学級文庫にあったり、コックリさんをしている子達もいました。
3つ上の兄の同級生から「臨兵闘者皆陣列在前」で悪霊を退治出来る、と聞いて、手の形を教えてもらいました。
下校時に学校プールの横を通って裏門から帰宅するのですが、プールと道を隔てたコンクリートの壁がありました。そこを通るとたまに、壁からブワッと人の顔が浮き出るのです。スターウォーズのハン・ソロが石に閉じ込められたような、あんな感じです。
その日も下校する時に浮き出てきたので、りんぴょうとうしゃ…と、人の顔にむかってやってみました。でも、何も変わりませんでした。色々間違っていたのでしょう。
私には無理、と思いました。それからはそういったものはあまり見ないようにしよう、見えない方が良いと思うようになりました。